おすすめ本のコーナー」カテゴリーアーカイブ

第二回おすすめ本は「夜来たる」アイザック・アシモフ先生の著作です。

「夜来たる」は、アイザック・アシモフ先生のベスト短篇だと言われています。
この作品は、アシモフ先生が作家として2年半のキャリアを積んでいた21歳の頃、
アスタウンディング・サイエンス・フィクション誌の編集長と、以下の詩について議論をしたことがきっかけとなって書かれました。

~もし星が千年に一度、一夜のみ輝くとするならば、人々はいかにして神を信じ、崇拝し、幾世代にもわたって神の都の記憶を保ち続ければよいのだろうか。by エマーソン~


「文明の崩壊する理由」についてのアシモフ先生の想いも読みとることができますよ。
立場を変えて、登場人物たちが、ああでもないこうでもないと語っていますので、要チェックです。

「夜来たる」は、何度読んでも、色褪せません。
どうしてなのでしょうか?
たぶん、こういうことに起因するのではと思います。↓

・地球上では当たり前なことを、当たり前でない視点からとらえる・・・非日常のワクワク感。
・刻一刻と近づいてくる日没=文明の終わりかもしれない瞬間を待つ登場人物のどきどきする心情。
・夜とはこういうものだとわかっていて、予測しながら読むことができる楽しみ。

2049年のサイクルでやってくる壮麗な「夜」と「星々」の世界を、一緒にどきどきしながら待ち、体験しましょう。

第一回 おすすめ本は「テムズとともに 英国の二年間」天皇陛下の英国留学記です。

こちらは、われらが今上天皇であらせられる、徳仁天皇陛下が、お若い頃にイギリス留学をされた時のことを書かれたご本です。(かたくるしい言葉遣いですみません^^)

「テムズとともに」の「テムズ」というのは、「テムズ川」のことで、川の名前が本のタイトルとなっています。天皇陛下が、ご生涯にわたって研究なさる「水」のテーマに、若い頃から関心を持たれていたことがわかります。また、はじめての体験づくしで奮闘された経験が、わかりやすくおもしろく書かれています。庶民から知り得ない皇族のかたの留学時のことを、天皇陛下ご自身が執筆された著書は、ほかに類を見ない興味深い内容だと言えるでしょう。

天皇陛下は、写真撮影もプロ顔負けの腕をお持ちです。御所で中秋の名月をお撮りになった写真が公開され、話題になっていましたが、本当に綺麗な満月でした。この本には、天皇陛下が当時撮影した写真が、「オックスフォードの点描」として、おさめられています。地図もあり、読者がどこのことを読んでいるのか、わかりやすい工夫がちりばめられているのです。

天皇陛下は、山登りがお好きです。また、水の研究者でもあらせられて、第4回アジア・太平洋水サミットでは、オンラインで、天皇陛下記念講演をなさっています。その映像は、Youtubeで観ることができ、全文は宮内庁HPで読むことができます。「人と心と水の関わりを、水に関する民族信仰の視点からお話ししたもの」とありますが、内容の中には、山岳信仰や超古代文明の話、川にまつわる龍神の話なども出てくるのです。私は、「超古代文明のことまで触れてくださるの!?」と、天皇陛下の見聞の広さに、すごく驚きました。

最近でもご公務の際、アニメの「ナルト」が好きだという海外の学生さんのお話しを受けて、天皇陛下が急に、「私は、ナルヒト(徳仁)です。とくに関係はないのですけど。」と、おっしゃって、なごやかな雰囲気になったというニュースを観ました。このエピソードを念頭におきつつ、「テムズとともに」を読むと、天皇陛下が若い頃から、ギャグがお好きだったんだなぁと、非常にほっこりとした気持ちになります。

ところで、敬宮愛子さまは、高校2年生の時に、イギリスのイートン校へ短期留学されました。現在は、世界情勢も不安ですので、日本にいらっしゃるほうが安全だとお察しするのですが、はたして、ご留学は見送られるのでしょうか? 愛子さまも大変文才がおありで、中学一年生の頃に、「看護師の愛子」という童話をお書きになっていました。いつか本を出版なさる折には、発売日当日に、購入したいです。

令和の世になり、はや五年。コロナ禍で、お出ましになる機会は減ったものの、最近では、皇后雅子さまや敬宮愛子さまとともに、ご公務をなさっているお姿をテレビやネットで拝見する機会が増えて、嬉しく思います。そんな徳仁天皇陛下の皇太子時代のエピソードが楽しく読める「テムズとともに 英国の二年間」は、いつでも読めるように本棚に置いておきたい、おすすめの一冊です。

amazonブックレビュー評価は、★★★★★ 5つ星 d( ̄  ̄) ですよね〜!